子供の首が傾いたまま戻らない！？首が痛い・首が動かない．．．そんな子供さんは環軸関節回旋位固定かも！？

お子さんの首が傾いたままになってしまい、首が痛い、首が回らない．．．

子供を持つ親としてはとても心配になりますよね。

こんな症状は、もしかすると環軸関節回旋位固定かもしれません。

環軸関節回旋固定とは、第一頚椎と第二頚椎の関節である環軸関節が靭帯の緊張などにより回旋位で固定されてしまうものです。

小児期・学童期に多く見られる疾患で、まだ環軸関節が大人と同じように発達しておらず関節面が浅いため起こると考えられています。

原因として、マット運動や受け身の失敗など外力によるものや、のどの炎症によるものがありますが、特に思い当たる原因がなく起こることもあります。

ただ、なにか原因なく回旋位で固定されるかというとそうでもなく、自分でも気づかないような原因があったのではないかと考えています。

首の痛みが強く泣いているようなお子さんもいれば、傾いたまま動かないけど痛みはないから寝違えだと思ってきた。なんて場合もあり、症状には個人差もあります。

このまま首が傾いたままで斜頚になってしまったらどうしよう．．．なんて思ってしまうかもしれませんが、そのほとんどが長くても１０日ほどで自然治癒します。

ですが、中には放っておいても治らないものもあるため、初期にしっかりとした対処をすることが大事であると考えています。

でもなぜ治らないのでしょうか？

子供さんは自然治癒力も高いため、普通なら回復するはずです。

その理由として、治る環境に置かれていないという事です。

たとえば、首の筋肉の緊張が低下しないとどうなるでしょう？

筋肉の緊張により血流が阻害され、痛みを強く感じさらに筋肉が緊張してしまいます。

そうなると靭帯の緊張も緩和せず、回旋位での固定も弱くなることはありません。

環軸関節の周りには後頭下筋群という小さな筋肉がついていますが、これらは眼球運動や咀嚼運動と関係しています。

つまり痛みの出ている首だけを診るのではなく、他の部分からのアプローチを行うことで筋肉の緊張を緩和すれば、後は子供さんの自然治癒力で回復へと向かうでしょう。

自然治癒しないものを放っておくと首の動きに制限を生じ、それによって顔の歪みを生じるなど大きな障害を残す原因となってしまうこともあります。

まだまだ未来ある子供さんの体ですので、将来に制限のないような状態に戻すことが大切です。